リハビリテーション医学

リハビリテーション医学とは、身体の機能回復および残存している障害の克服を目的とした医学分野です。身体の機能はさまざまな原因により失われます。病態であったり、疾患、外傷などです。 そういった失われた機能を取り戻すため、そして残存した障害を克服するための活動を育む医学分野です。

リハビリテーション（リハビリ）という言葉は、医療の世界だけでなく一般にも広く浸透しています。その意味は「障害を受けた者を回復させる」というものです。障害には様々なものがあり、身体的、精神的、認知的、社会的、職業的、経済的なものなどが挙げられるでしょう。

この中でリハビリテーション医学が扱っているものは、特に身体面に生じた障害の回復ですが、一部精神面、認知面に生じた障害の回復も扱います。リハビリテーション医学が目指すところは「患者さんの障害を最小にし、残存能力を活用する力を最大にまで引き出す」ということです。その中には治療はもちろん、予防も含まれます。そして、それを行うことにより患者さんのQOL（Quality of life＝生活の質）を向上させ、患者さんにより良い生活を送ってもらえるようにすることを、リハビリテーション医学は目的としています。

リハビリテーション医学の対象疾患は脳血管障害や骨関節疾患が多いです。これらは身体的な障害を受けることが多いためです。また、脳血管障害によって生じる認知の歪みなども対象として扱います。このような身体的、機能的、精神的な障害はすべてリハビリテーション医学の対象とされます。それぞれの状態に応じて、科学的根拠に基づいた医学的アプローチがなされます。

リハビリテーション医学の力を最大限発揮するにあたり、チーム医療は欠かせません。他職種との連携があってこそ、その力は発揮されます。そして、最終目標は生活の再建です。患者さんに対してより良いアプローチを目指すのであれば、他職種との細やかな連携が必要になってきます。