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倫理学・道徳
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倫理学・道徳
「倫理(ethics)」と「道徳(morals)」は少なくとも西洋哲学において議論される際には区別されないのが普通です。
ソクラテスの議論が半分哲学的であったのに対し、真の意味で倫理学というものを構築しようとした最初の試みは、アリストテレスによってなされたと言うことができるでしょう。『ニコマコス倫理学』は、厳密にはアリストテレスによる著作ではありませんが(ニコマコスという人物によって編集された講義が原形)、後世の倫理的議論の枠組みを作ったと言われています。
中世のキリスト教道徳を経て、ルネサンス、市民革命とヨーロッパが目覚めて行くにつれ、人々は宗教から離れた純粋な倫理的議論を構築しようとして行きました。
哲学には、英国経験論(ロックに始まりバークリ、ヒュームと受け継がれて行く)と大陸合理論(デカルトに始まりライプニッツなどに受け継がれて行く)の区別がありますが、倫理学においてもこの区別は成立します。
イギリスの倫理学のチャンピオンは功利主義だと言えるでしょう。ジェルミ・ベンサムによる『道徳と立法の原理序説』、ジョン・スチュアート・ミルの『功利主義』などが、その代表的な著作です。
他方、フランスやドイツといった「大陸」側の倫理学のチャンピオンは、義務論に分類されるカント主義でした。イマヌエル・カントは理論哲学においても後世に大きな影響を与えた哲学者でしたが、その倫理学は「実践哲学」とも呼ばれ『人倫の形而上学の基礎づけ(道徳形而上学原論)』、『実践理性批判』といった著作に表されています。
近年における応用倫理の隆盛も見逃されてはなりません。生命医療倫理、技術者倫理、環境倫理、情報倫理・・・など様々な異分野との交流が、倫理学には期待されています。
応用倫理においてひとつ重要な著作をあげるとするならば、ピーター・シンガーの『実践の倫理』でしょう。
このように古代から現代にいたるまで、倫理学は人々に新鮮な知的刺激を与え続けています。