手芸・クラフト

手芸・クラフトとは、さまざまな素材を用い、手先を使う作業などを通して作品を仕上げることを指します。

機能性や装飾性を備えた作品を作る手芸・クラフトの種類は大変豊富です。布や糸を用いる洋裁や和裁、編み物、刺繍、染色、織物、ビーズ、パッチワーク、キルト、紙を用いる折り紙やデコパーシュ、ペーパークラフト、花を使ったドライフラワー、ブリザードフラワー、さらに木や籐、竹、革、ワイヤーなど、多様な素材を使った工芸が存在し、一人で、または仲間と一緒に余暇を過ごす趣味などとしてそれぞれ人気があります。

手芸・クラフト関連の書籍が主に扱うのは、文化出版局編『誌上・パターン塾』シリーズやスタジオパークタッククリエイティブ出版『レザークラフト技法事典　クラフト学園虎の巻』など、それぞれジャンルで必要となる道具や基本的な技術の説明、さらに、さまざまな作品紹介とそれらの作り方の解説です。読者が手軽に作品制作できるように、図案や型紙が付随しているものが多いのも特徴でしょう。

洋裁や編み物などはかつて、家庭の主婦などがおこなうことが主流だったこともあり、手芸をテーマにした女性向け雑誌が古くから出版されています。日本の洋裁雑誌のパイオニアとも言うべき『装苑』が文化出版局 から創刊されたのは1936年。戦後の復興期を生きる女性たちの生活を豊かにするため、手づくりの家具や直線裁ちの洋服などを紹介しようと、大橋鎮子らが『暮らしの手帖』を創刊したのは1948年です。

以降も、1972年には『レディブック』（ブティック社）、1977年には『毛糸だま』（日本ヴォーグ社）、NHKの講座番組の内容などを紹介する『婦人百科』（1993年に『おしゃれ工房』、2010年に『すてきにハンドメイド』と変更）がスタート。いずれも現在に至るまで販売され、根強い支持を得ています。

また、編み物の三國万里子や嶋田俊之、刺繍の樋口愉美子、洋裁の伊藤みちよなど、手芸・クラフトの各カテゴリーの人気作家たちが自身の作品の作り方を解説する多数の書籍を出しており、好評を博しています。