工学書

■機械工学

生活や産業に使われる機械類の仕組みを研究し、新しい機械を創造するための学問。目的に適した原理を力学的に研究する「設計工学」のほか、機械の安全・安定性を研究する「計測・制御工学」、空気や水の中で働く力について研究する「流体力学」、材料加工をテーマに研究する「加工工学」「材料工学」など研究分野はさまざまです。このほかにも「精密工学」「熱力学」など、一言に機械工学といっても、その研究範囲は多岐にわたっています。

■建築学

建築物の設計や歴史について総合的に学ぶ学問です。対象とする領域は広く、住宅、ビル、超高層建築の生産、建築資材の研究開発、災害時の安全対策など現代建築の建築工学分野と、団地や道路の造成、都市計画などの都市工学に加え、歴史的な建築物、集落の保存や復元についても研究します。建築物を美学的に捉えて芸術的意義を追究する学問として「意匠」があります。建築物や街並み、自然環境、構造や材料についても美学的に追究して評価します。

■土木工学

社会を支える物理的インフラの建設・維持管理と、自然環境の維持を工学的に追究する学問です。具体的には、道路、港湾、上下水道、ダム、トンネルなどの施設や河川、海岸などが主な対象となる。これらを安全で快適に人が利用できるよう計画、設計、施工、維持、管理の知識や技術を扱います。また、洪水や地震に対する対策も重要な研究対象で、防災対策を立てるための研究も行います。都市を暮らしやすく整備するための都市デザインも含まれ、その範囲は多様です。

◆著名な著者・書籍

・萩原 芳彦（はぎわら よしひこ）　『よくわかる工業力学』

高等学校で学習する物理の中の力学関係をやや数学的扱いを増やしてまとめた教科書です。本著の内容は大学・高専の機械工学関係では必修的なものです。力学を実際問題に結び付け、機械工学関係の学生が学びやすいようにまとめています。

・安藤 忠雄（ふじい のぶお）　『「建築学」の教科書』

さまざまな立場で建築と関わる専門家14人による建築への誘いです。建築家、建築史家、構造や構法、あるいはシックハウスの専門家など、それぞれ自分が関わる切り口から建築へ近づく糸口をエッセイ風につづっています。