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2024/12/27

徳力富吉郎 富士三十六景 ほか 【計48枚 134960円】

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今回は徳力富吉郎を中心にまとめて48枚の多色刷り木版画を買い取りさせていただきました。
徳力富吉郎

徳力富吉郎について

徳力富吉郎(とくりき とみきちろう、明治35年(1902年)3月22日 – 平成12年(2000年)7月1日)は京都の西本願寺絵所を預かる家系の12代目として生まれ、幼い頃から絵画に触れて育ちました。その後、京都の美術学校を首席で卒業し、有名な画家である土田麦僊先生の弟子となりました。
日本画だけではなく、版画にも強い興味を持ち、独自の技法を確立しました。
特に多色刷り(多色刷り: 複数の版木を使い、重ねて摺ることです)の木版画を得意とし、その華麗な色彩と繊細な表現で知られています。デザインした版画作品を、専門の職人に彫らせて、摺らせていたと考えられます。
三重県には、彼の作品をたくさん集めた「徳力富吉郎版画館」という美術館もあります。

「富士三十六景」について

「富士三十六景」は昭和15年(1940)に富士山を題材にした壮大な木版画シリーズです。歌川広重の「冨士三十六景」に着想を得てはいますが、徳力富吉郎独自の視点と技法で、より現代的な解釈を加えた作品群と言えます。
歌川広重は江戸近郊や富士山の名所に焦点を当てたのに対し、徳力富吉郎は富士山周辺だけでなく、信州や伊勢など、より広範囲から眺めた富士山の姿を描いています。四季折々の変化や、様々な角度からの富士山を捉え、その多様性を表現しています。
たとえば、「櫻花爛漫の冨士」という作品では、立保村の桜の枝越しに見る富士山の姿が描かれています。

立保村の桜

「下野日光東照宮」について下野日光東照宮

本記事下「今回の買取について」の表に記載の「まとめて12枚」に含まれている、執筆者が特に気に入っている作品は「下野日光東照宮」です。
日本の象徴的な建造物である日光東照宮を題材にした木版画です。徳力富吉郎は、「富士三十六景」のような日本の自然を題材にした作品で知られていますが、このように歴史的な建造物を題材にした作品も残しています。
東照宮の荘厳な建物と、豊かな自然が絶妙に組み合わさったこの作品は、多くの人を魅了する理由だと思います。
彼の作品は、新版画のような鮮やかな色彩や西洋的な構図の作品と混同されがちですが、新版画の要素も一部見られるものの、あくまでも日本画の伝統を重んじた作品であると言えます。

今回の買取について

富士三十六景が36枚揃っていることから、コレクターの間でも人気が高いため、買取額を大幅にアップしました。
また、状態の良さ、市場での評価、そして作品が持つ歴史的価値などを総合的に判断し、48枚を134960円とさせていただきました。
下表は今回の買取額をつけさせていただいた木版画の一覧です。似たジャンルの木版画のご売却をご検討中の方はご参考まで。

絵師 タイトル 買取額
徳力富吉郎 富士三十六景 全36枚 74860円
徳力富吉郎 ほか版画 まとめて12枚 60100円

スタッフJ

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