2024/12/20
経営学・金融・投資関連の買取【135冊 32,896円】
今回は経営学・金融・投資関連の書籍を買い取らせていただきました。
お客様からお送りいただいたものから、私スタッフEが気になった一冊をご紹介します。
この買取日記を執筆しているいま、スタッフEの中で最もHotな話題はソニー・グループによるKADOKAWAの買収報道。
買収の情報が出回った2024年11月19日のKADOKAWAの株価は急伸し、ストップ高を記録したそうです。
出版・アニメ・ゲームなど多彩で魅力的なIP(Intellectual Property=知的財産)を創出し続ける日本最大級の出版社。
様々な出来事に揺れるなかで巻き起こった買収劇は、一体どのような結末を迎えるのでしょうか。
【買取額:1,040円】『企業価値経営 第2版』伊藤邦雄【著】 2023年、日本経済新聞出版
こちらは一橋大学の副学長などを歴任した伊藤邦雄氏の2023年の著書。
日本企業の収益性が長期的に停滞している現状を改善し、持続的な成長を実現することを目的とした「伊藤レポート」でも有名な人物です。
恥ずかしながら本書を手にして初めて伊藤レポートの存在を知りました。ROE(自己資本利益率)などの指標を用いていることから、東証によるPBR(株価純資産倍率)改善要請に近い印象を受けましたが勉強不足のためあまり下手なことは書かないでおきます…
本書「企業価値経営」は、企業価値を評価する手法や概念が、経営(実践の場)でどのような意義を持ち活用されるのか、その全体像をわかりやすく解説しているとのことで、一見難解と思える図、表、公式が各項に見られますが、著者曰く、企業価値を評価するプロセスは実は非常にシンプルだとか。
企業価値といえば時価総額を思い浮かべる方も多いかもしれません。しかし、その時価総額には数値としての企業価値(内在価値)が常に反映されている保証はなく、企業価値を正しく反映させるためには様々な工夫や努力、そして内在価値を高める戦略的活動を行うことで、「企業価値を重視した経営」を実践することが必要だそうです。
パラパラと読み進めると、その後は「戦略的ファンダメンタル分析」などの分析論が続きます。難しそうな計算式で埋め尽くされたページ以外にも、マイケル・ポーター教授の「競争の戦略」やボストン・コンサルティング・グループが開発したPPMなどの著名な分析論が用いられており、端書きの通り確かにわかりやすく解説されています。スタッフEは「○○戦略」や「アルファベットの三文字略語」に沸き立ち読書のモチベーションが上がるタイプなので大変ありがたい執筆戦略です。こんなタイプの読書人が少なくないことを願いたい…
理論解説の後は事例解説がビジネス書の定石ですが、本書もその形式に準じており様々な事例が解説されています。その中にありました、話題のソニー・グループのポートフォリオ分析。
年代別の事業セグメントの変遷や営業利益の推移、構造改革や転換点などが簡潔に解説されています。その中でソニー・グループが2018年に公表した第三次中期経営計画についても触れられており、コンテンツIPなどの成長分野に戦略的に投資していく方針を明確にしているとのこと。
本項の最後は、伊藤氏から同社への期待の言葉で締めくくられています。
今回の高額買取商品一覧
下表は今回の買取で1冊300円以上の買取額をおつけした本の一覧です。2010年代から2020年代の書籍は高額で買い取ることができる場合が多いようですが、2000年代以前の書籍はその内容により差がつく様です。
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(買取額は市場の需要と供給のバランスにより変動するため、現在とは異なる可能性がございます。上記は2024.11.25時点の金額です。)
最新のビジネス書で参考文献として取り上げられている書籍は、大学生や学者の先生からの需要が見込めるためお値段をお付けできる可能性があります。ご希望の買取価格がつくかご不安な方は、ぜひノースブックセンターの事前見積をご利用ください。
当店では30冊以上お送りいただくと送料無料となりますので、旬の書籍がございましたら、ぜひまとめて当店にお売りください。
今回も良書をお売り頂き、誠にありがとうございました。
スタッフE