2024/09/27
天文学書など多ジャンルの本の買取【86冊7,516円】
今回は天文学、国際政治、医学書など幅広いジャンルの本を買い取りいたしました。
そのどれもが面白そう・読んでみたい・興味深いものばかりで、毎度のようにどの本にクローズアップしようか迷ってしまいました。
まだ現役!ハッブル宇宙望遠鏡
しかし、今回は視覚的に釘付けになってしまった本に注目してみました。
それは天文学に関する書籍。例えばこちらの三冊です。
①奥『HUBBLE ハッブル宇宙望遠鏡 時空の旅』縣 秀彦(著, 監修)、2010、インフォレスト
②下左『ハッブル・レガシー ハッブル宇宙望遠鏡30年の記録』ジム・ベル (著), 縣 秀彦 (監修), 堀口 容子 (翻訳),2020,グラフィック社
③下右『「はやぶさ2」のすべて ミッション&メカニカル編: 小惑星リュウグウ探査プロジェクト』吉川 真 (監修),2020,誠文堂新光社
この色鮮やかさ…!宇宙にはこんな光景が広がっていると思うだけでワクワクしてしまいます。
紙面を少し。左が上記②の見開き扉、右は①より。
特にハッブル宇宙望遠鏡から送られてくる惑星、衛星、小惑星や遥か彼方の星雲や新星の生まれる瞬間などの写真はいつまでも見飽きることがありません。なんて美しいのでしょう…。
ハッブル宇宙望遠鏡はアメリカ航空宇宙局(NASA)と欧州宇宙機関(ESA)が共同で開発・運用している宇宙望遠鏡です。1990年にスペースシャトル「ディスカバリー」によって打ち上げられ、地球の低軌道に設置されました。
宇宙空間から地球の大気の影響を受けずに天体を観測できるため、非常に高精度な画像を取得することが可能で、それまでの天体望遠鏡では難しかった観測を可能にしました。
例えば、宇宙の膨張速度をより正確に観測できるようになったことで、宇宙の年齢を推定(上記②の裏表紙によればビックバンは138億年前に起こったと推定される。)したり、ダークマターやダークエネルギー(宇宙が膨張するように働く力)の存在を裏付ける観測結果が得られたりと、その功績は非常に大きなものでした。
上記②の紙面より。宇宙が膨張していることを発見した天文学者エドウィン・ハッブル(1949年頃)。彼の名を冠した宇宙望遠鏡がまさに宇宙膨張に関わるデータを次々に見つけ出していることは感慨深いです。
本来は打ち上げから15 年でそのミッションを終えることを想定されていたハッブル望遠鏡。しかし、打ち上げから30年経った後も現役でその役目を果たし続けています。前の段落を「でした」と過去形で書きましたが、2024年現在も稼働中です。
ハッブルよ、永遠に。
ただ、そのはじまりから今までの間、何の問題もなくオペレートされてきたわけではありません。打ち上げ直後にも不具合が確認されるなど、故障などが確認されるとそれを修正すべく数回のメンテナンスミッションが行われてきました。
その度に機能が強化され、長い間貴重なデータを我々に与えてくれていたハッブル。しかしながら、軌道高度が徐々に下がってきていたり、不具合に次ぐ不具合で姿勢を制御するために6台設置されているジャイロスコープのうち今も機能しているのは2台のみ(https://uchubiz.com/article/new47951/記事参照)だったりと、老朽化の影響は避けられない様子です。まぁ、30年以上前の技術で未だに新発見を続けているのですから、当時の技術水準の高さの方が驚くべきことですよね。
そして、NASAはハッブルの軌道修正には資金を投入しないことを明言しています。
・・・再び、上の『ハッブル・レガシー ハッブル宇宙望遠鏡30年の記録』の裏表紙より引用します。
「ハッブルはもう機能を維持するための修理を受けることはない。しかし、ハッブルが機能を停止しても、その功績は長く生き続けるだろう。」
天文学の進展に大きく貢献してくれたハッブルが、その役目を終えて大気圏に突入して星になる折には、空を見上げて感謝しましょう。
今回の高額買取商品一覧
冒頭にも書きましたが、今回の買取は非常に様々なジャンルのものが含まれておりました。300円以上の買取額がついた本をまとめた下表を見れば、さらに音楽関連の書籍もあったことがお分かりになると思います。
クリックすると拡大表示されます。
(買取額は市場の需要と供給のバランスにより変動するため、現在とは異なる可能性がございます。上記は2024.09.13時点の金額です。)
こちらのスタッフブログではジャンルごとに記事を作成することが多く、「他のジャンルと混ぜて売っちゃだめなの??」と思われることもあるかも知れませんが、そんなことはありません!
アリストテレスが数学者であると同時に偉大な哲学者であったり、宮本武蔵が剣の達人であると同時に書画にも秀でていたり、庵野秀明氏がアニメ作品も特撮作品も撮れたりする(え?)のと同じように、とにかく、ある分野を極めたものは別の分野でも根っこでつながって知恵を共有していて、それは知の集積所である書物でも同じであると思うのです。
ご自宅にもう読まない専門書・学術書がありましたら、そのジャンルに関係なく当店にお売りください。
本の売却は本の旬のうちに
ただ、ジャンルによっては売却のタイミングにより本の価値が大きく変わってしまうものもあります。
今回の買取で言えば『前立腺小線源治療』や『TNM悪性腫瘍の分類』などの医学書ではそれが顕著です。
後者は第8版と現在の最新版であったことから今回の買取の中でも最高買取額となりましたが、7版から8版が出るまでの期間は7年でした。そう考えると、もうそろそろ9版が出版されてもおかしくありません。旧版となってしまうと情報としての価値が一気に落ちてしまうことから
買い手がつかない=せっかくお売りいただいたのに次の方に読んでいただけない=売れなさそうだから当店も査定額を下げる
という悪循環となります。本はぜひ、旬のうちにお売りください。
今回も良書をたくさんお売り頂き、誠にありがとうございました!
スタッフN
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