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スタッフブログ 買取日記

2024/09/13

数学書の買取【178冊 29,874円】

今回は数学の専門書や雑誌を買取いたしました。ミレニアム懸賞問題(100万ドル(約1億円)の懸賞金がかけられている数学上の未解決問題)や、圏論などの抽象性の高いものに関する書籍、一方でそういった難問のエッセンスをわかり易く説明した入門書が多くございました。

その中からまた何冊か気になったものをご紹介して参ります。

“目で見てわかる”ことの強さ

“百聞は一見にしかず” とは言いますが、やはり目で見て直感的に理解するのが何事も手っ取り早いですよね。そんなビジュアル面からの数学理解に注力した本がこちら。

数学 ミレニアム問題 専門書 『ビジュアル リーマン予想入門 ~グラフで解き明かす素数とゼータ関数の関係』

『ビジュアル リーマン予想入門 ~グラフで解き明かす素数とゼータ関数の関係』木内 敬 著,2020,技術評論社

上記の1億円の懸賞金がかけられている7つの問題のうちの1つ、リーマン予想の入門書です。

リーマン予想とは何か?簡潔にまとめますと

次のように記載されるゼータ関数

 

ζ(s)=1+12s+13s+14s+\zeta(s) = 1 + \frac{1}{2^s} + \frac{1}{3^s} + \frac{1}{4^s} + \cdots

ここで sは複素数

がゼロになる「非自明なゼロ点」ではすべて、実部(虚数と実数の組み合わせである複素数のうち実数の部分)が1/2であるという予想。

 

・・・らしいです。

すみません、本記事を書いている人は本の査定はできても数学の知識が深いわけではありません。「非自明な」などという単語1つ1つに「?」となってしまうわけですが、ゼータ関数には負の偶数(-2、-4、-6など)にあるゼロ点など、比較的容易にゼロ点であることが導けることから「自明なゼロ点」と呼ばれているものと、その複雑さゆえにはっきりどう分布しているか分からない「非自明なゼロ点」の2つがあるようなのですね。

リーマン予想は、この「非自明なゼロ点」についての問題ということになります。

うむむ、考えはじめのとっかかりも見つからないような難しい問題ですが、とにかく、本書では素数の分布に深く関連するこの特殊なゼータ関数とリーマン予想との関係をビジュアルにこだわって解説しています。実際の紙面はあまり多く載せてしまうと問題があるのでチラッとのみご覧に入れますが、図の配置や色などがとにかくスッキリしていて、数学書ならではのとっつきにくさが極力排されているのが本書の特長です。

ところどころに、ほっとするようなイラストも描かれています。

やはり高等な数学における難しさの原因の大半はその抽象性にあるのではないでしょうか?懸賞金GETを目指すのではなくても「世界中の数学者たちが頭を抱える難問っていうのは一体、どういうものなのだろう?」と教養を深めたい方にはオススメできる一冊だと思います。

雑誌も買取できます。が…

今回の高額買取商品の一覧(本記事一番下の表参照)には雑誌も含まれておりました。それがこちら。

『現代思想 2020年7月号 特集=圏論の世界 ―現代数学の最前線―』西郷甲矢人/加藤文元/小原まり子/荒武永史/谷村省吾 著、2020、青土社

はい、通常、哲学や社会学、文学など人文科学系の特集を組むことが多いことでお馴染みの学術雑誌『現代思想』ですが、今回は数学でも難解な「圏論」が特集されているものをお売りいただきました。

こちらもあまり詳しく語れないのが申し訳ないのですが、圏論における物事の抽象化や対象との関係性の捉え方、普遍性への追求などは芸術分野とも共通する点が多いようです。そう考えると、『現代思想』での特集化はそう突飛なアイディアではなさそうですね。

雑誌は発行から5年以内に売ってください

さて、当店ではこういった学術雑誌をはじめ、雑誌の買取も受け付けております。

ただ、発行から時間が経った雑誌は需要が一気に落ちる傾向があるため、発行5年以内の雑誌のみを買取対象としております。

しかしながら、逆を言えば発行から時間が経っていたとしても需要が見込める雑誌についてはその限りではありません。

2024年9月現在、当店が買取歓迎する雑誌は以下の建築専門雑誌およびIT技術専門雑誌です。※( )内は買取対象となる発行年です。

  • 新建築(2010年以降)
  • 新建築 住宅特集(2005年以降)
  • 商店建築(2015年以降)
  • a&u [建築と都市](2000年以降)
  • トランジスタ技術(2010年以降)
  • インターフェース

なお、その他にも在庫過多などの理由により当店では買取をお断りしている雑誌もございます。

詳細については以下のバナーのリンク先よりご確認ください。

 

専門書買取はノースブックセンターへ!

そういえば、前回のスタッフNの記事も数学関連書籍の買取を取り扱いまして、その最後でご紹介した高額買取商品一覧の中に『思考回路を磨く代数・幾何問題集』『思考回路を磨く微分・積分問題集』(ともに1994、SEG出版)がありました。両書の著者、米谷 達也氏には謎の覆面講師として活動しているという噂があり、気になっていたのです!

実は今回、その米谷氏のペンネームである “数理哲人(すうりてつじん)” 名義で刊行された『味わう数学 ~世界は数学でできている (数学への招待シリーズ)』(2021、技術評論社。今回の買取額は80円でした。)に遭遇したのです!本当に覆面で数学を教えていらっしゃいます(下、右画像)。

本は本を呼びますね。この知識の数珠つなぎを体感できるのが古本屋に勤める醍醐味だと私は常々感じており、この本の面白さ具合なども紹介したかったのですが…

長くなりましたので、今回はここまで!

今回の高額買取商品一覧

350円以上のお値段をお付けできたものを紹介しております。一番上の『大学基礎数学キャンパス・ゼミ 改訂5』は2023年発行と非常に新しいのですが、なんと2024年に早くも新版が発売されています。新版・改訂版が発行されると旧版の買取額は下がる傾向にあります。

本の旬のうちに是非、当店にお売りください。

クリックすると拡大表示されます。

(買取額は市場の需要と供給のバランスにより変動するため、現在とは異なる可能性がございます上記は2024.08.28時点の金額です。)

今回も良書をたくさんお売り頂き、誠にありがとうございました!

スタッフN

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