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スタッフブログ 買取日記

2023/10/27

動物倫理学・歴史等の書籍買取 【120冊 12,328円】

今回は動物に関する書籍、特に動物とどう共生するかを考える環境学系アプローチの本や、動物をどう扱うべきであるかを考える動物倫理学など哲学や道徳関連の本を多く買い取らせて頂きました。以下に特に良い値段で買い取らせていただいた本を紹介します。

「道徳の自然誌」
「人新世の哲学: 思弁的実在論以後の「人間の条件」」
「社会はなぜ左と右にわかれるのか――対立を超えるための道徳心理学」
「撤退戦-戦史に学ぶ決断の時機と方策 」
「人と動物の政治共同体-「動物の権利」の政治理論」
「死の所有 増補新装版: 死刑・殺人・動物利用に向きあう哲学」
「スターリンの将軍 ジューコフ」
「観察力を磨く 名画読解」
「神々の復讐 人喰いヒグマたちの北海道開拓史」
「動物倫理の最前線: 批判的動物研究とは何か」
「胃袋の近代―食と人びとの日常史―」
「帝国日本と森林: 近代東アジアにおける環境保護と資源開発」

などなど。

動物に関するもの以外にも歴史関連書籍も何冊かありますね。

なお、上記のリストはすべて1冊あたり300円以上で買い取らせていただいたものを列挙したもので、下に行くほど金額が高くなっております。

一番下のこちら

「帝国日本と森林: 近代東アジアにおける環境保護と資源開発」中島 弘二 (編著)、2023、勁草書房

は1冊870円で買い取らせて頂きました。

こちらの本は上記の中島氏が1人で書き上げた本ではなく、歴史学、地理学、林学、生物学などのそれぞれ異なる分野の研究者(中島弘二、竹本太郎、米家泰作、中山大将、永井リサ、三島美佐子、水野祥子(敬称略))たちの共同研究をまとめた1冊となっています。

近年、環境史や科学史などの研究分野では「帝国と環境」をめぐる議論が活発化しているそうです。かつての「帝国日本」(明治期から太平洋戦争に至るまでの期間)においては、その森林管理や資源調達の範囲は国内だけでなく樺太、台湾、朝鮮半島、満州や東南アジア諸国にまで至る広大なものでした。

そして、現代日本の森林利用と保全の思想はそうした歴史の中で形成されてきたものであることが全体を通じて明らかにされていきます。

環境保護や資源開発というキーワードを聞けば当然、資源の乏しい日本のことですから海外の資源との関連話が出てくるに決まってはいるのですが、「帝国日本」という視点からその広がりと歴史を切り取るという発想は私の中にはなかったので、今更ながらに新鮮です。

各論では各専門家たちが執筆を担当しているのでそれぞれに詳細な記述がなされているのですが、全体としてまとまった内容になっているのも本書のなかなかすごい点だと思います。

サステナブルという言葉が流行りやじめたのはつい最近のことと思いますが、それに先駆けた保全の精神(また、そういったプラスの面だけでなくマイナス面も)があったことも知っておきたいですね。

哲学、倫理、歴史の名著・専門書、まだまだお待ちしております

当店は大学で使用されるようなテキストや、研究者の方が使用するような専門書の買取・販売を得意としています。

そういった本の中には絶版となっていたり、一般の新刊書店では販売される機会が少なかったりするなど入手困難なものも多数あります。

「大事にとっておいたけど、私はもう読まないな…。」

という専門書や研究分野における、いわゆる”名著”をお持ちの方は是非当店にお売りください。

次の必要とする方につなげていきます。

 

今回も良書をたくさんお譲りいただき、ありがとうございました!

スタッフN

※写真はお送りいただいたもののうちのほんの一部です。また、買取額は市場の需要と供給のバランスにより変動します。本文中の金額についてはあくまで記事作成時のものとお考えください。

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