2022/09/21
古典、語学、数学を中心とした理系書籍(和書・洋書)【118冊 30,721円】より「カンデル神経科学」 メディカルサイエンスインターナショナル、 2014年
今回は、古典、語学、数学を中心とした理系書籍(和書・洋書)、など幅広い分野の書籍を多数買い取らせていただきました。比較的新しい書籍が多く状態も良かったため、高額買取となりました。
以下特に良い査定額をお付けできたものを紹介いたします。
「日本古典評釈・全注釈叢書 新古今和歌集全注釈 一」
「日本古典評釈・全注釈叢書 新古今和歌集全注釈 二」
「日本古典評釈・全注釈叢書 新古今和歌集全注釈 三」
「日本古典評釈・全注釈叢書 新古今和歌集全注釈 四」
「日本古典評釈・全注釈叢書 新古今和歌集全注釈 六」
「ギリシア喜劇全集〈1〉アリストパネース〈1〉」
「ギリシア喜劇全集〈2〉アリストパネースII」
「ギリシア喜劇全集〈3〉アリストパネース〈3〉」
「ベイズ統計モデリング: R,JAGS, Stanによるチュートリアル 原著第2版」
「場合の数・確率の解法研究: 過去40年間の重要660題収録 (大学入試)」
「Greek: An Intensive Course, 2nd Revised Edition」
「空間幾何の解法研究: 過去50年間の重要550題収録」
「カンデル神経科学」
「Classical Electrodynamics」
「語録の思想史――中国禅の研究」
「英文解釈その読と解 (駿台受験シリーズ)」
「Visual Differential Geometry and Forms: A Mathematical Drama in Five Acts」
「構造的因果モデルの基礎」
「Map Color Theorem (Grundlehren der mathematischen Wissenschaften, 209)」
「ケンブリッジ現代英語文法入門」
「A Course of Modern Analysis」
「関口存男著作集 (ドイツ語学篇2) POD版」
「人文・社会科学の統計学 (基礎統計学)」
「図説 ローマ帝国衰亡史」
などなど。
今回の買取では、各々の分野での良書、入門的、基礎的でわかりやすい、など評価の高い書籍が多い印象を受けました。個々の高額の商品について少し注目していきたいと思います。
まず、「日本古典評釈・全注釈叢書 新古今和歌集全注釈」です。和歌集の中でも解釈が難しい(ググって調べますと技巧が凝らされているためすぐに歌の妙味を知りえないためとありました)と言われる「新古今和歌集」ですが、本書は評釈(解釈し批評を加えること)、注釈(語句や文章を取り上げてその意味を解説すること)が加えられていて、大変わかりやすい学術書です。「新古今和歌集注釈」の決定版的なものではないでしょうか。もともとの書籍自体も高額なものであるため、今後も一定の水準でのお取引となることが予想されます。
次に注目したのが、「英文解釈その読と解 駿台受験シリーズ」です。時代は変われども受験で求められる力には普遍的なものがあります。この駿台受験シリーズにも普遍的な良書といったものが存在します。本書は80年代に、駿台予備校の人気講師、筒井正明氏によって書かれています。こちらも内容読解が「評釈」となっているためよりわかりやすくなっています。そして取り上げられている英文は良質なものばかりです。「人はなんのために生きるのか?」「人としてむかうべき道」といったような普遍的なテーマが取り上げられています。このようなテーマは変わらず取り上げられるでしょう。
普遍的ということでこちらも取り上げてみたいと思います。
「空間幾何の解法研究:過去50年の重要550題収録」「場合の数・確率の解法研究:過去40年間の重要660題収録」です。こちらは主に数学教育の指導向けの解法事典ともいうべき書籍となります。解説には大学教養レベルの内容まで含まれているため、受験生の高度な数学理解の助けにもなっています。こちらも「空間幾何」、「場合の数・確率」が入試から無くならない限り、価値の高い書籍といえそうです。問題集などは、多数出版されていて流行りなどもあるため、古書に高い価値がでるかは難しいところではありますが、上記のようになかなかの高額買取となる書籍もあります。
ざっくり書いてみましたが、今回のテーマは普遍的といったところでしょうか。なんだか似たような本ならあるけど、この本は価値があるの?などご自宅に眠っている書籍がございましたら是非当店をご利用ください。お宝が眠っているかもしれませんよ!?事前に価値をお知りになりたい方は、事前見積もりも行っておりますのでご利用ください。お客様の必要なくなった本を、次の待っている方へつないでいただけると嬉しい限りです。
普遍つながりで、、、。(しつこい・・・)
今回ご紹介する本はこちら
「カンデル神経科学 大型本」 メディカル・サイエンス・インターナショナル 2014です。
ノーベル生理学・医学賞者(神経系の情報伝達に関する発見の功績により2000年受賞ウイキペディアより)の神経学者エリック・リチャード・カンデル氏によって書かれた書籍です。
1981年に原著初版が発行されてから、33年の年月をかけて2014年日本語版発行となった1700ページほどの全9パート、67章にて構成の力作となります。脱線しますが、日本語訳に33年もかかってしまったのか!!と突っ込みたくなるのは私だけでしょうか?33年前に読めていたら色々違ったかも!?英語ができたら・・・ちょっと残念ですね。話を戻しますが、世界中の神経科学、脳科学に携わる方々の基準となる教科書的書籍です。訳がとても自然で、(訳したものと分からないくらい素晴らしいです:個人的感想です)わかりやすいのが特徴の一つに挙げられ、写真や図なども多く、(1007点のフルカラー図版)理解の助けとなっています。全体像から詳細へとわかりやすく導かれています。
前半は、神経細胞の性質や、シナプスでの情報伝達の単純な反射行動の機序について書かれています。高校生物を履修したことのある方にはおなじみの樹状突起、イオンチャンネル、イオンポンプ、ニューロンこの辺の神経細胞の話です。(もちろんもっと詳しいですが)
ページを進めるごとに細部への解説になっていてより理解が深まる構成になっています。
中盤から神経細胞の相互接続ネットワーク、つまり知覚や、思考、動作、感情などを生み出す複雑な神経回路についての考察が広がっています。さらに脳の認知機能についても細胞生物学的な観点から解明が試みられています。医学、薬学、リハビリテーションなど医療関係のみならず、理工、工学、心理学、経済学、哲学など様々な領域の基礎として、科学的基盤となってくれます。
挙げるときりがないのですが、アルツハイマー病、パーキンソン病、筋ジストロフィー、統合失調症、筋萎縮性側索硬化症などの神経疾患についても書かれています。個人的には近未来に治療法が見つかるのではないかと、期待の抱ける書籍でした。一つだけ難を言わせていただくと重い!!です。読むには多少のスペースを必要としますね(笑)
また、「学生時代には、まずこの本を通読してほしい。」と監修者の願いが書いていますが、本書からはその理由が読み取れます。脳(神経細胞)から人間を知ることにより様々な考え方ができ、人間的、研究者的に幅が広がります。この1冊を読むことによって医学分野の研究のみならず工学、人文学、社会科学へのインスピレーションが湧いてくるのではないでしょうか?幅広く多くの方に読んでいただきたい1冊です。こちらも普遍的良書といえますね。ちなみにカンデル神経科学は新版が出る予定となっております。お売りになる方はお早めが良いかと思います。
今回も良書を多数お譲りいただきありがとうございました!
スタッフT