2022/08/29
鉄道関係の書籍を中心とした買取【124冊46,265円】と「SL甲組」の肖像 1 (NEKO MOOK 927) ムック 、2007年
今回は鉄道関係の書籍を中心に、物理、科学関係の書籍を多数買い取らせていただきました。
以下特に良い査定額をお付けできたものを紹介いたします。
「飛行機設計入門―飛行機はどのように設計するのか」
「電気工学ハンドブック(第7版) ? オーム社 2013年 ※付属ディスクなし」
「4100形機関車明細図 1995年 鉄道史資料保存会」
「四百五十立方呎炭水車明細図 1994年 鉄道史資料保存会」
「8620形機関車明細図1994年」
「C11形機関車明細図 2003年 鉄道史資料保存会」
「8200形(C52形)機関車明細図 1995年 鉄道史資料保存会」
「ED30形EF30形機関車明細図 1992年 鉄道史資料保存会」
「2120形〈B6形〉機関車明細図 鉄道史資料保存会 1994年」
などなど。
特に「機関車明細図」は、精密な車両の設計図が書かれており、資料価値も高く、かなりの高額となりました。この「機関車明細図」シリーズは、形によりばらつきはあるものの、今後も高水準でのお取引になると思います。そのため多少傷みがあってもお取引可能な商品です。また、一般的な装丁と異なるため、「他店で断られてしまった」などございましたら、是非当店をご利用ください。
次に「インバーター制御電車概論」に注目してみました。インバーターとは直流から交流に電力を変換する装置のことですが、メンテナンスが簡単で環境にやさしい省エネ技術です。今後のリニアや電気自動車にも応用でき、利用分野が拡大していく技術です。
本書は電車概論ですが、エンジニアを目指される方への基本書にもなる書籍ではないでしょうか。2003年出版ですがまだまだ需要のある書籍といえそうです。
ちなみに、欧州ではあの有名な仏TGV等で先行して導入されておりましたが、日本では初代ひかり号では直流で、ようやくのぞみ号でインバーター仕様となりました。
さらに脱線しますが、TGVといえば映画「ミッション・インポッシブル」の屋上でトム・クルーズとジャン・レノが戦っていたシーンに出ていましたね。
鉄道関係の書籍は、鉄道ファンも多いことから比較的安定してお値段をお付けできるものが多いジャンルです。お持ちの書籍の価値をお知りになりたい方、概算をお知りになりたい方など当店では見積もりも行っておりますので、お気軽にお問い合わせください。(事前見積はこちらから)
今回ご紹介させていただく本はこちら
「「SL甲組」の肖像 1 (NEKO MOOK 927) ムック – 2007/3/1」
です。
本書は2007年「株式会社 ネコ・パブリッシング」から発売の全8巻のうちの第1巻になります。
ちなみに「株式会社 ネコ・パブリッシング」は2021年2月にカルチュア・エンタテイメント株式会社と合併したため社内カンパニーとなったため、名称が「ネコ・パブリッシング」に変更されています。
今回は少し写真を載せてみたいと思います。
「東北本線列車ダイヤ 昭和40年10月1日改定 盛岡鉄道管理局」
「青森区のC61の横を入換中のD51と 134(盛)」蒸気機関車といえばやはり雪が似合いますね。
「全盛期の東京機関区検修庫の賑わい。交番検査はもとより、中間検査まで自区でこなしていた。」
「秋田・青森県境を頂点とする矢立峠、それに連なる山々が織りなす襞は、まだこの辺りでは緩やかである。雪晴れの谷あいを峠に向かって快走するC612。テンポの速いプラスと音が、山々こだまし、秋田杉の美林に白煙が吸い込まれていった。」
いかがでしょうか?迫力が伝わるでしょうか?
第1巻では 「盛岡機関区」、「小郡機関区」、「人吉機関区」、「東京機関区」、「青森機関区」、「夕張鉄道」、「追分機関区」について書かれています。
蒸気機関車といえば、個人的には黒煙をたてて走る松本清張の「ゼロの焦点」などが浮かびますが、(ちょっと古いですね(笑))皆様いかがでしょうか?今では、昔の映画などでしか見ることもなくなりましたが、郷愁を感じる方も多いのではないでしょうか?本書は、個人的には長い映画を見ているような1冊でした。
最初のページに「かつて機関車乗務員のあこがれといえば、「甲組」と呼ばれたエリート集団だった。甲組に代表される選り抜の人々びとは、果たしてどのように機関車を走らせていたのか。その真相をさぐるこの「SL甲組」の肖像は、元乗組員の人々の証言を元にした鉄道再発見の試みである」とあります。
まさにその言葉通り、かつての蒸気機関車機関士を中心に、全国各地の鉄道OBの方々に丹念に綿密にインタビューされています。そのため言葉一つ一つに臨場感があります。
現在のオートマチックな電車にはないマニュアル感が伝わってきます。
石炭を焚き、水を補給し、さらにボイラーにも気を配らなければうまく走らない、難しく、運転技術のいる機関車です。ブレーキの使い方、勾配、急カーブ、雪やトンネル内での煙との闘いなどなど、機関車を操るエリート集団「甲組」の奮闘の様子が記録されています。奮闘の様子は手に汗握るものがあります。
戦争による資源不足による石炭の質の低下、運転室内で繰り広げられる数々のドラマ。必死にダイヤを守ろうとする乗務員の誇り。列車を牽引して走ることの難しさ。
トンネル内での煙との闘い、そこで止まれば自動閉塞区間(事故防止のため列車がある一定区間内に一台しか侵入できないようにする制御システムみたいなものです)では引き返せない。焚けば焚くほど煙と熱が容赦なく乗務員に襲い掛かる、、、。
卓越した技術がそこにあることがわかります。
「東京機関区」では、蒸気機関車ではなく、電気機関車について書かれています。東京機関区は、「甲組」ではなく、特急列車乗務を専門とする「特急組」があり、その様子について書かれています。そして昭和30年後半には、機関車に代わり電車の時代となっていきます。特急列車「つばめ」「はと」の消滅により、東京機関区の乗務員運用にも大きな影響があったなど、時代の栄枯盛衰を感じることができます。
「思い出の記」というコーナーでは、映画化された「大いなる旅路」のモチーフとなった実話が、2ページにわたり紹介されています。2ページですが、読み応えがあります。引き込まれました。
資料としても大変貴重なものですが、著者による取材・元甲組の方たちの言葉の重み、迫力のある写真などSLファンのみならず、多くの方に触れていただきたいシリーズではないでしょうか。
今回も良本を多数ありがとうございました。
スタッフT