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2022/02/04

数学に関する書籍の買取 「文系編集者がわかるまで書き直した 世界一美しい数式「eiπ=-1」を証明する」2019年、日本能率協会マネジメントセンター

今回は数学に関する書籍の買取をしました。以下に特に良い査定額をおつけできたものを紹介いたします。

「集合・位相入門 (松坂和夫 数学入門シリーズ 1)」
「初等幾何学 (新数学入門シリーズ)」
「文系編集者がわかるまで書き直した世界一美しい数式「eiπ=-1」を証明する」
「代数系入門」
「グラフ理論入門」
「テンソル解析 (マグロウヒルシャウムアウトラインシリーズ)」
「なっとくする群・環・体 (なっとくシリーズ)」
「例題と演習でわかる離散数学」
「復刊 初等幾何学」
「なぜ初等幾何は美しいか―三角形幾何学」
「線型代数入門 (松坂和夫 数学入門シリーズ 2)」

などなど。見事なまでに、どの書籍も紙面に数式あふれる正真正銘の(?)数学書でした。

ですが、そんな中でゴリゴリ文系な私の目が釘付けになった本が今回の一冊。

「文系編集者がわかるまで書き直した   世界一美しい数式「eiπ=-1」を証明する」

(2019年 佐藤敏明著 日本能率協会マネジメントセンター)

です。

なんのことはない、「文系の人にも必ず証明できる」「数学の基本が身につく」などの文言に釣られたに過ぎないのですが、若くして数学に鼻の骨をへし折られた文系組には非常に魅力的な煽り文句なのです。

思わず手に取り、表紙にそっと添えられた「読むからには、少しの覚悟は必要です」という部分は無意識的に(あるいは、意識的に(苦笑)?)すっ飛ばして紙面を見た途端、一旦閉じました。(だめじゃん)

いや、ちょっと専門用語が多いんですよね。数学に苦手意識のある文系人間は「超越数である」とか、「対数」であるとか、「虚数」であるとか、聞いただけで「ムリ!」となるのです。「はじめに」で「予備知識を前提としない」、「多くの読者が知っていると思われる基本的な事柄についても説明し」 とありますが、いや、説明がもっと欲しい部分もありました…。

「そもそも「eiπ=-1」がなんなのよ」という話なのですが、これは18世紀の天才数学者オイラーが発見したことから「オイラーの等式」とも呼ばれています。

e=ネイピア数(自然対数の底)、i=2乗すると-1になる数、π=円周率

(「だから、ネイピア数って何なのよ」という顔をされている読者様の顔が目に浮かびますが、簡潔に説明する才覚は私にはないので割愛します。)

という一見関係のなさそうな数同士が並んだ式ですが、これが基本的な数学のテクニックを使うと整数になる、つまり移項をすると

eiπ+1=0

となります。あら、キレイ!というわけです。

うーん、確かに、言われてみれば最後が「0」に収束する様は不思議でもあり、スッキリしています。

 

本書では第1章で「eiπ=-1」を導くために必要な「数」「関数」について説明、第2章でオイラーの公式の三角関数、第3章で指数関数・対数関数を、第4章で微分を取り扱い、第5章でメインディッシュ、「eiπ=-1」を証明します。全ては「eiπ=-1」証明までの道筋に横たわる知識の説明に絞っているため、関係のないところは飛ばして目的地まで辿り着けるのはありがたいところです。

「むむむ・・・」とアレルギー反応が起きるのをなんとか丸め込みつつ分かるところまで読み進めていくと、確かに高校時代にサヨナラした数学の後ろ姿がボンヤリと見えてくるのを感じました。

ちなみに、私は高校で数学1・2・Aのみ学習し、それ以降はさっぱり数学には触れない人生を歩んできており、三角関数・微分くらいまでが数学的知識の最終記憶なのですが、同等の数学体験をお持ちの方はその感覚に共感いただけるのではないでしょうか。

ということは、第4章の微分まではなんとかなるということです。

ただ、最終章となる5章でいよいよオイラーの公式を導き、そこから件の「eiπ=-1」を証明するのですが、第5章のレベルは大学初年度程度となっています…。おお(悲嘆に暮れる)。

この5章の壁を文系人間が乗り越えられるかどうかは、ひとえに4章までをいかにきちんと読み込んでいるかにかかっていると思われますが・・・すみません、私にはまだちょっとムリでした。

でも!本気で取り組もうと思っている方には、ちゃんと理解できるはず、です!紙面中には理解度を確認するための問題も用意されており、単なる読み物に終わっていません。是非、紙とペンをもって取り組んでみてください。

文系人間が見逃した「達成感」に満ちた「数学の美」の世界、ちょっと大変ですが覗き見たい方、オススメですよ。

※今回お譲りいただいた中にはありませんでしたが、「文系編集者がわかるまで書き直した」シリーズには、かのアインシュタインの「E=mc2」、「フーリエ級数、フーリエ変換」もあるようです。こちらも気になりますね(←懲りてない)。

 

今回も良書をたくさんお譲りいただき、ありがとうございました!

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