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  • 【買取実績】医療、産業医、理系研究、分析関連書籍の買取 「アット・ザ・ベンチ―バイオ研究完全指南 アップデート版」2005年 メディカル・サイエンス・インターナショナル

2022/01/28

医療、産業医、理系研究、分析関連書籍の買取 「アット・ザ・ベンチ―バイオ研究完全指南 アップデート版」2005年 メディカル・サイエンス・インターナショナル

今回は医療 (主に産業医の業務に関わるもの)、理系研究書、データ解析・分析(医療統計など含む)専門書を買取いたしました。以下に特に良い査定額をお付けできたものを紹介します。

「ドクターズルール425―医師の心得集」
「Excel VBA 逆引き辞典パーフェクト 2013/2010/2007/2003対応」
「Stataによる医療系データ分析入門」
「EBMのためのデータ統合型研究―メタ分析、決断分析、費用効果分析の理論と実際」
「アット・ザ・ベンチ―バイオ研究完全指南 アップデート版」
「働く人の健康診断と事後措置の実際―一般健康診断のすすめ方と事後措置のすべて (産業保健ハンドブック)」
「労働安全コンサルタント 労働衛生コンサルタント 平成28年度版 試験問題集 解答と解説付き 日本労働安全衛生コンサルタント会」

などなど。

上記リストのうち上から3番目の「Stata(ステータ、スタータ)」は、その名もStataCorp社により開発された統計分析のソフトウェアの名前です。タイトルは「医療系データ分析入門」となっていますが、医療系の分野だけにとどまらず経済学社会学政治学、心理学の分野で用いられているマルチなお役立ちツールなのです。こちらは2014年に発行されており、比較的情報が新しいこともあり高い査定額が付きました。

全般的な傾向として医療関係、経済関係、また旅行情報誌などの「新しい情報」がその本の価値の中心にあるようなものは、発行から月日が経てば経つほど売値が下がります。ということは、もちろん買取額も下がってしまうということなので、読まなくなった上記ジャンルの本がありましたら少しでも早く売却するのがオススメです。

・・・とはいえ、上記の中で一番高い査定額(1,000円)が付いた本は「EBMのためのデータ統合型研究―メタ分析、決断分析、費用効果分析の理論と実際」という発行年1999年の書籍でした。「EBM=Evidence -Based Medicine=根拠に基づく医療」にとってデータ解析は避けて通れない道なのですが、意外とそこにフォーカスした類書が出版されていないようなのです。このような「類書がない」という場合や東洋医学(漢方や鍼灸など)についての書籍は古くても良い値段が付くという例外があります。

「結局、どっちなんだ?!」

という方、当社では実際にお荷物をお送りいただく前に査定額が分かる「事前見積」のサービス(詳しくはこちら)がございます。そちらでお持ちの本が実際いくらくらいになるのか(大まかな査定額となりますが)分かりますので、よろしければご利用ください。

 

さて、話題は変わりまして。

毎回気になる1冊をピックアップするこのコーナー、今回はこちらにしました。

「アット・ザ・ベンチ―バイオ研究完全指南 アップデート版」(2005年アップデート版 1刷 、キャシー・バーカー著)

既述の「EBM~」と同じくメディカル・サイエンス・インターナショナルより2000年に初版発行。その5年後にアップデート版が出たのですが、それが写真の1冊です。

アップデート版とはいえ、すでに17年前の本です。序文を読めば「バイオインフォマティクス」「プロテオミクス」などが芽生えだした頃であることが伺え、どう甘く見ても最前線・最新の内容でありません。しかし、それでもバイオ研究に携わる学生・大学院生などが「初日から研究室の環境になれ、独り歩きでき、尋ねるべき質問がわかり、科学者として役目を果たすことができるように(著者「まえがき」より)」する、研究生活に必要な事項全てに関するアドバイスに溢れているのが本書。多くの事項については現在でも通用するに違いないと感じます。

それは、本書に書かれていることの大半が「基本的」で「いまさら人に聞けない」レベルのアドバイスだけれど、実はとても大事なことであるからです。

 

第1章にあたる「セクション1」「研究室に慣れる」。例えば、最初の1週間にしてもらうこと、すべきことが箇条書きにしてまとめてります。この最初の1週間ってどんな種類の組織(例えば一般企業でも、学校でも)においても大事なんですよね・・・。ここを逃すと「今さら聞けない!頼めない!」となり、その後の活動に支障をきたすこともあります。また、何より大事なのは「最初の1週間の「べからず集」。これも大事ですよね。最初にやらかすと、その後のイメージの払拭が大変です(実感)。また、バイオ研究室の内部の挿絵も多く、こんな感じだということが予めイメージしやすいかと思います。 

「セクション2」では「実験の組み立てから発表まで」をフォロー。実験計画の立て方、実験ノートのとり方、セミナーの準備やデータの発表の仕方などなど内容は細かい部分に及びますが、実験ノートの大事さは某STA◯細胞騒動のときに素人にも広く周知されましたね。その他、実験ノートについての倫理的問題(公共物(研究室のもの)か私物か問題)にも触れており、興味深いところです。

本書著者はアメリカの研究者であるため、日本の状況(当時)と異なる土壌があるかも知れません。しかし、将来的に海外の研究室で活躍したいと考えている方には良い参考になるでしょう。また、日本と研究室文化が異なることも考慮の上、わかりづらいところには丁寧に訳者注釈が入っているのも親切です。

その他、プレゼンテーションで自分を売り込むコツなど実際的なアドバイスから、「研究室内で人間関係を悪口言わない」とか、当番さぼっていさかいが発生したときの対処とか、「小学生か!」と思わず突っ込みたくなる内容もありますが、実際にこういう事例が多いからアドバイスがあるんですよね。どこの世界も変わりありません。

「セクション3」、「実験に失敗しないために」でも基本ではあるけれども、大事な実験に関する注意事項とアドバイスがまとめられています。試薬やサンプルの保存と廃棄、コンタミを防ぐ方法、放射性物質の取り扱い、電気泳動、光学顕微鏡の使い方などなど、素人でも聞いたことのある単語が並んでいるので、それこそ「今さら聞けない・・・!」と思ったときのアンチョコにピッタリですね。

 

これだけ懇切丁寧に、微に入り細に入り、「よくまとめたな」と半ば絶句する程ですが、その労苦を厭わない執筆の原動力の根底には著者の「学生へのリスペクト」があるのだということは疑う余地がありません。それ故、学生やポスドクなどの研究弱者に対するアドボカシーへのアドバイスは翻って研究強者である教授・指導者への心構えをも指南しているように感じます。

 

ある会社に入社する前に「こんなこと事前研修でやってくれたら良かったのにな・・・」と感じたことはありませんか?それがあったら、当初の居心地の悪さもちょっとはマシだったのに、と。本書はその「居心地の悪さ」を軽減してくれるありがたい書籍です。研究室向けだけじゃなく、こんな本が会社ごとにあったら本当に良いんですけどね・・・(苦笑)。

 

※蛇足情報:Amaz◯nでは「アット・ザ・ベンチ バイオ実験室の統計学 -エクセルで学ぶ生物統計の基本」(ISBN:4895926710)という、これまたバイオ研究者に嬉しい同シリーズの本が発売されているようです。こちらも読んでみたい!

今回も良書をたくさんお譲りいただき、ありがとうございました!

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