今回は文化や哲学、その他小説などの文庫本など様々な種類の書籍を買い取らせていただきました。その中から特に良い査定額をお付けできたものを以下に紹介いたします。

「くすりの事典 2019年版」
「まるわかりエアーバンド受信の教科書」
「東京ガールズブラボー (上)」
「Mods!」
「Skinhead」
「フロイト&ラカン事典」
「お茶人のための茶花野草大図鑑」
「Wolfgang Tillmans (Photobook S.)」
「Spirit of ’69: A Skinhead Bible」
「Love for Sale: The Words and Pictures of Barbara Kruger」

などなど。

私、ブリティッシュ・ロックが大好物なもので、1960年代から1970年代のカルチャー・ムーブメントであった「Mods!」やら「Skinhead」やらにテンションが上がりました。

その「Mods!」「Skinhead」「Spirit of ’69: A Skinhead Bible」などもそうですが、今回の買取は洋書も多く含まれていたのが特徴でした。これらの洋書はほぼ1990年代に発刊されたものですが、今でも人気がありこうして良い査定額を付けることが出来ます。ちなみに、今回の買取最高額は1990年発行のバーバラ・クルーガー「Love for Sale」で710円でした。古いし洋書だから売れないかな・・・と売却を迷っている方、是非、当店にお譲りください！

さて、既述のようにブリティッシュ・カルチャー、ロック周辺が好きな筆者、リスト中2冊目の「エアーバンド」という言葉から、バンドだけど楽器を持たないあの金◯のような「エアバンド」を連想してしまったのですね。おお、サブカルの懐のなんと広いことでしょう！面白そうです。

今回のネタはこれだ！ということで書影を撮影すべく件の本を取り出したところ。。。

・・・あれ？かなり似て非なるものでした(苦笑)。

改めて今回の1冊を紹介いたしますと、こちらは

「まるわかりエアーバンド受信の教科書」2016年、三才ブックス

今回お譲りいただいたお品は2020年の3刷、かなり新しいものですね。

当初想像した「エアバンド」とは違いましたが読んでみますと、「エアーバンド」とはいわゆる「航空無線」のことで、地上と航空機、航空機と航空機が音声で交信するためのもの。そして、他に無数にある消防無線や警察無線などとは違い、複数の周波数を連携して使用したり、パイロット用語が多様されたり、航空機の種類によって管制方法が違ったり・・・となかなかに奥深い世界らしく愛好家がたくさんいるのだそうです。

私達の日常生活を支える無線交信の中には、先程の消防無線や警察無線など様々なものがあるのですが、傍受対策のため多くがデジタル化されてしまい、素人が受信することは困難になりつつあるのだそうです。しかし、航空無線は日本国内だけではなく国際線なども利用する国際的なしくみであるため、規格を簡単に変えることができません。今後もしばらくはアナログであり続けることから、市販の受信機さえあれば誰でも楽しむことができるのも大きな魅力の１つです。

もちろん、他の無線が傍受対策でデジタル化される背景には悪用への配慮などがあるように、受信した情報を悪用することは電波法で固く禁止されています。そのような無線を楽しむ上でのマナーから、実際には航空無線ではこんな音が聞こえるといった例示、その聞こえた無線の会話内容を理解するのに必要なフォネティックコードをまとめてある等、エアーバンドを１から楽しむのに必要な情報がぎゅっと凝縮されています。巻末には用語集や周波数リストも付いており、まさに至れり尽くせりです。

単に空を行く飛行機を眺めて「ああ、どこへ行くのかな、どこから来たのかな」と想像するのはとても楽しいですよね。それを想像だけに留めるのではなく、実際に割り出すことができるとしたらワクワクしませんか？

自衛隊の基地まつりなどで披露される軍用機の飛行ショーでやりとりされる無線を受信すれば、次にどのような技が繰り出されるかも分かるようになります。どこから飛んでくるかがわかれば、シャッターチャンスを逃しません！

また、災害時などの緊急時に受信することで情報収集することのできる周波数もコンパクトにまとめられており、趣味の範囲にとどまらない実用書としても大変役に立つ本だと思います。

コロナ禍で思うように飛行機に乗ることも出来ない現在、せめて遠い地に思いを馳せることで満足したい方。あるいは、海底火山の爆発などですぐそこまで緊急事態が近づいていそうに感じている方。手元に置いて損はない1冊ですよ！

今回も良書をたくさんお譲りいただき、ありがとうごさいました！