2021/12/10
労働関連書籍の買取 「都道府県労働局による助言・指導 あっせん好事例集」労働新聞社
今回は労働白書や労働法規など、「労働」に関する書籍の買取をいたしました。以下に特に良いお値段をお付けできたものを紹介いたします。
「労働経済白書〈令和元年版〉人手不足の下での「働き方」をめぐる課題について」
「労働経済白書〈平成28年版〉誰もが活躍できる社会の実現と労働生産性の向上に向けた課題」
「都道府県労働局による助言・指導あっせん好事例集―職場のトラブルはどう解決されたのか―」
「季刊労働法 2017年 04 月号 [雑誌]」
「季刊労働法 2017年 07 月号 [雑誌]」
「季刊労働法 2017年 10 月号 [雑誌]」
「季刊労働法 2018年 01 月号 [雑誌]」
「季刊労働法 2018年 04 月号 [雑誌]」
「季刊労働法 2018年 10 月号 [雑誌]」
などなど。
雑誌については前回記事でもお知らせいたしましたが、買取可否についての表を別ページに設けております。リスト中の「季刊労働法」はそのうちの「上記以外の発行から5年以内の雑誌」に該当するわけですが、この広く深淵なる本の世界にこれに該当する雑誌は実に色々とございまして・・・。「これはどうなんだろう?」と疑問に思われましたら、お気軽にお尋ねください。
さて、今回の気になる1冊ですが、こちらにしました。
「都道府県労働局による助言・指導あっせん好事例集―職場のトラブルはどう解決されたのか―」
(2012年、労働新聞社編、発行)
こちらの本は、平成13年に「個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律」が施行10年を迎えたことを機にまとめられた、労働者-企業間の紛争調整の事例集となっております。紛争の調整に当たるのは各都道府県労働局長および労働局に設置される紛争調整委員会で、労働局長が助言や指導を、紛争調整委員が当事者間でこじれた事件に調整役として入りあっせん(解決策の提案や、当事者間の意見聴取、伝達など)を行います。
こちらの事例集では、帯に説明があるように「どの会社にも起こりそうな77のトラブル事例」を紹介しています。例えば、昔からの労働者-企業間の争い事の典型例である「解雇」を巡っての紛争、「いじめ・嫌がらせ」に端を発した紛争、「採用取消」に関わるもの、「セクハラ」や「育児・介護休業等」を巡ってのもの(「セクハラ」「育児・介護休業等」など男女雇用均等法に関連する事例については、現在はその後の制度改正を経て、こちらの制度とは少し違う都道府県労働局雇用環境・均等部(室)の管轄となっているそうです。ややこしい・・・。)など、確かに「ありそう」な事例ばかりです。
紙面は、
1 制度概要説明
2 こちらの制度によらない紛争解決制度の紹介
3 個別労働紛争解決事例
4 資料等
という構成になっており、メインはもちろん「3 個別労働紛争解決事例」の部分です。それぞれの紛争について申立を行った側(多くは労働者側)の主張と、相手側(多くは企業側)の主張とで整理されており、双方(もしくは、どちらか)のどこに問題点があり、そこに対してどういう助言やあっせんを行ったのかについて簡潔にまとめられており、非常に見やすくなっています。
それぞれの紛争がほぼ「解決金」という形で収束している現実には思わず苦いものを感じますが、まぁ、そうなりますよね(苦笑)。
これら紹介されている事例はあくまで「好事例」であり、折り合いがつかない場合は裁判で争うかどうかになってくるわけですが、これらの助言・指導やあっせんは、なんと無料で利用できる制度であるため、困った労働者はまず相談してみると良いのではないでしょうか。(裁判はもちろん費用も時間もかかりますからね。)もちろん、労働者側だけでなく企業側にとっても、調整委員が公正な立場から意見してくれることで互いの納得のいく点を模索できるため、利用のメリットは大きいと思います。
・・・「困っているから利用したいけど、申請の仕方がわからない?」
大丈夫です!巻末に申請書の見本や、各都道府県の管轄部署の連絡先が掲載されています!
まぁ、こちらの記事を読まれている方々の職場環境がこのような制度を必要としないようなものであることが一番なのですけどね。
今回も良書をたくさんお譲りいただき、ありがとうございました!