2021/05/10
ビジネス・ヘルス関連書籍の買取 「老化はこうして制御する 「100年ライフ」のサイエンス」
今回はビジネスや自己啓発、健康維持に関連する書籍を多数買い取らせていただきました。以下に特に良い査定額をおつけできたものを紹介します。
「人生を変える 記録の力」
「お金は寝かせて増やしなさい」
「腎臓病は運動でよくなる! (東北大学が考案した最強の「腎臓リハビリ」)」
「「すごさ」の認め方 考え方の違う人と仲間になれる「器」と「技術」」
「NHKスペシャル 人体 神秘の巨大ネットワーク 第3巻:【第4集】万病撃退! “腸”が免疫の鍵だった/【第5集】“脳”すごいぞ! ひらめきと記憶の正体」
「“歩く力”を落とさない! 新しい「足」のトリセツ」
「老化はこうして制御する 「100年ライフ」のサイエンス」
「隠れ脳梗塞は自分で治す (らくらく健康シリーズ)」
「思い邪なし 京セラ創業者稲盛和夫」
「新装版 人物を創る (安岡正篤人間学講話)」
「習慣が10割」
「耳鳴り・難聴 耳鼻咽喉科の名医が教える最高の治し方大全 聞きたくても聞けなかった145問に専門医が本音で回答! (健康実用)」
「最新決定版 リングカード式 一生使える毎日の腎臓病献立」
「1・2・3級対応! ほめ達! 検定公式テキスト」
などなど。
こちらのブログでも何回かご案内しているのですが、古書店で良い買取金額が付く本には主に2種類あります。
1つ目は、最新の情報が載っているもの。例えば、テクノロジーや医療、ビジネスなど、最新技術や知識に重要性が認められ、話題性のあるものは出版年がお売りいただいた時点から近ければ近い程良いお値段で取引されます。こういったものは古くなってしまうと、新しいもので情報が上書きされていってしまうため値段がつきにくくなるのです。そのため、お読みになったらすぐに次の方のためにお売りいただくのが得策です。
2つ目は、古いものであってもなお需要が認められるタイプのものです。例えば、漢方やツボなどの東洋医学書であったり、哲学書や一部の物理学書や数学書など”名著”と呼ばれていながら絶版になっていたりして、一般市場でなかなか手に入らないけれど一定の利用者がいるものには良いお値段が付きます。
今回のお買取内容はまさに前者のタイプの好例と言えます。このタイプのものは出品するとすぐに売れていくため、今回も様子を見ていたのですが、上記リストのうちでも「お金は寝かせて増やしなさい」や「「すごさ」の認め方 考え方の違う人と仲間になれる「器」と「技術」」はすぐにお買い上げいただけました。
そんな人気商品の中から一冊、今回ご紹介いたしますのは、こちら
「老化はこうして制御する 「100年ライフ」のサイエンス」(2020年、日経BP総合研究所)
です。
2020年出版ですから、本当にほぼほぼ新刊です。監修は大阪大学大学院 老年・総合内科学の教授 樂木宏美氏です。
「100年ライフ」という言葉にまずひっかかりを感じる方もらっしゃるかも知れません。現在の日本人の平均寿命は男女ともに90歳にも届いていませんし、一部では医療の進歩を差し引いてもガンなどの3大疾病での死亡率の上昇により平均寿命が縮むのではないかとするような説もあります。
こちらの本では、そうではなくて、様々なデータから(特に令和元年の簡易生命表による平均余命のデータなどから)日本人の寿命は将来的には100歳近くに到達するのではないかとする立場をとっています。そして、その伸びた寿命の分、”健康寿命を延ばすことが肝要である”というのが基本的に言いたいことです。そして、エイジング研究分野における最新のデータや結論、仮説などを紹介しつつ、健康寿命を延ばすための対策を紹介しています。
帯でも「サイエンス」という言葉が採用されているように、全体を通して科学的なエビデンスを重要視した本書の構成は、眉唾ものの類似エイジング対策本より信頼性が高いように思われます。
基本路線は「食事に気を付けましょう」であるとか、「運動をしましょう」であるとかいった、すでに聞かされ尽くしている方法論ではありますが、そこに具体的な数値や運動目安も掲載されていることで、背中をより押されるような気がします。
また、「食事や運動だけじゃなくて、サプリを摂るのも手だ」とする第2章の見出しのみを読んでしまうと、説明がない中なら怪しさが勝ってしまいそうですが、どの物質が具体的にどこに働きかけるから良いのだ、というメカニズムの説明まであるのが説得力を増させています。
とはいえ、やはり一般向けに書かれた本なので、「エビデンス」の説明がやや簡易に過ぎる感じはあるかも知れません。基本的なところで、寿命と余命の定義や、カロリー制限に書かれた箇所で「なにから30%減らすのか」などの説明がないところもありますので、実際に「よし、書かれていることを頑張ってやってみるぞ!」となったときには、個別に詳細な実行方法に当たって、メリット・デメリットなども含めて自分でもう少し調べる、専門家に相談するなどの必要は出てきそうですので、ご注意ください。
ただ、本書が書かれた目的は、著者らが主張する「長寿社会が訪れた際のエイジング対策の羅針盤となれば良い」とのことなので、その目的は達成されているといって良いのではないでしょうか。実際、著者らが言っている、急激にエイジングが加速する年代である40代にちょうど突入したところである筆者は、大変真剣に本書を拝読し、カロリー計算なんぞ始めてみようと考えているところです(苦笑)。
ここまで影響をモロに受けるのもどうかと思いますが、これからの超高齢化社会、自分の身ぐらいは出来るだけ長く自分で操れるよう、貴重な次の世代に少しでも迷惑をかけなくて済むよう、そして、何より自分が人生を楽しく全うできるよう、考えられる人が増えれば良いなと思った読後でした。
今回も良書をたくさんお譲りいただき、ありがとうございました!