2020/10/29
植物に関する書籍を多数買取
今回は植物に関連する書籍を中心に多数買取させていただきました。以下、特に良い査定額をおつけできたものを紹介させていただきます。
「オーストラリアの花 JTBキャンブックス」
「日本ツバキ・サザンカ名鑑」
「石仏巡り入門―見方・愉しみ方」
「CHASED BY THE LIGHT」
「逆字篆刻字典」
「蘭 (山渓カラー名鑑)」
「信州のスミレ」
「野生ラン」
「世界の真空管カタログ―真空管データ7200種」
「日本の高山植物 (山渓カラー名鑑)」
「山の花学」
「信州の野草」
「三友社 図解 盆栽樹形の作り方 五葉松盆栽の整姿・整形 阿部倉吉 1976年」
「鳴き虫会 琉球列島のチョウたち 南の邦はチョウ天国 大城康弘 2002年」
「日本のユリ (1971年)」
などなど。
ご覧のように、植物関連の本が多い中にあった「世界の真空管カタログ―真空管データ7200種」はなかなか異彩を放つ、かつ、壮観な内容です「世界の」とありますが、日本、アメリカ、ヨーロッパで生産されたオーディオ用真空管をまとめたものになります。1995年発刊のこちらの本、当時オーディオマニアの中で人気が復活した真空管アンプファンをターゲットにしたものですが、当時程ではないにしても、一部の方にはまだ根強い人気があるのではないでしょうか。それを裏付ける査定額の良さでした。
しかし、今回、特に目を惹かれた本はこちら
「オーストラリアの花 JTBキャンブックス」(1996年)
です。
まず、第一に気になるのが筆者です。柳宗民。どうも聞いたことがある、という方が多いと思いますが、こちら、民芸運動の中心にあった思想家、柳宗悦の三男にして、某局「趣味の園芸」で長年講師を勤めてらした方です。宗悦の三男ということは、お兄さんにはバタフライスツールで有名な柳宗里がいるわけです。いやぁ、バタフライスツール、発表から70年以上経った今でも色あせないデザインですよねぇ。。。某セレクトショップで腰掛けて値段にびっくりしたものですが、未だに憧れです。
・・・と、脱線しましたが、第二に気になる点が、発行している会社です。あのJTBです。奥付の発行所を正確に書くと「JTB 日本交通公社出版事業局」とあります。おお、そうか、JTBって元は公社でしたっけ(すみません、生前のことなので無知は大目に見てください)。
いえ、旅行代理店が出版?というのが意外だったわけですが、そういえば、JTBパブリッシングとして、今も「るるぶ」を始め「ララチッタ」「タビトモ」などの旅行情報誌を出版していますね。今回紹介している「オーストラリアの・・・」はキャンブックス・シリーズの中の1冊です。JTBパブリッシングのHPを拝見すると、鉄道関連の書籍が充実している模様です。その他、鉄道をテーマにした絵本などの子供向け書籍絵本なども手掛けていて、なるほど、旅行業界の知識をそうやって活かして生き残る手もあるのね!と変なところで関心してしまったわけです。
さて、本書に戻りますが、前半は植物図録というか、植物の写真集のような感じでカラー図版が豊富に掲載されおり、掲載植物の解説は本書末にまとめられています。
そして、JTBらしさが出ているのが98P以降の「オーストラリア・花紀行」と題されたセクション。オーストラリアのワイルドフラワーを鑑賞できるコースを紀行文の形で掲載しています。あくまで植物紹介が中心ですが、何気なく観光名所などの植物以外の見どころを交えてくるあたり、旅行代理店の血が騒いでしまったのでしょう。ですが、どうせなら楽しく旅しながら植物ウォッチングしたい方も多いでしょうから、こういった本を喜ぶ方も多いと思います。
オーストラリアでは昨年から今年にかけて大規模森林火災がありましたが、こちらに掲載されている植物たちは大丈夫だったのでしょうか。本書でも触れられていますが、珍しく貴重なものが多いので気になるところです。コアラの焼け出された姿とか、胸が傷みましたよね・・・。
生存競争の面では植物は動物よりも遥かにしたたかなので大丈夫だかとは思いますが、本書出版当時にあった素晴らしい生態系が壊れていないことを祈るばかりです。
今回も良書をたくさんお譲りいただき、ありがとうございました!