2020/08/11
医学関係の書籍を多数買取いたしました
今回は医学関連の書籍を多数買取させていただきました。中でも、栄養学関連の図書が多かった印象です。以下に特に良い査定額をお付けできた本をご紹介します。
「ヒントは全国の実践例のなかに!もう迷わない 健康サポート薬局 2018年 01 月号 [雑誌]: 調剤と情報 増刊」
「最新アッペ・ヘモ・ヘルニア・下肢バリックス手術 2015年 03 月号 [雑誌]: 手術 増刊」
「医療従事者のための病院会計入門―図解と例示の多様で理解度倍増!」
「栄養指導スキルアップ: 患者のやる気をひきだす!行動変容をサポートする!」
「消化・吸収・代謝のしくみと栄養素のはたらき: イラスト図鑑の決定版! (ニュートリションケア2016年秋季増刊)」
「カラー写真で見るニュートリション・フィジカルアセスメント: 管理栄養士が現場で使えるアセスメントシート付き! (ニュートリションケア2012年春季増刊)」
「写真付/服薬指導CDーROM製品版 2015年3月版―わかりやすい薬剤情報提供のための」
「臨床栄養 128巻2号 体組成分析が拓く栄養管理の未来 -データから何がわかる?どう利用する?」
「病院法務部奮闘日誌―病院・診療所のトラブルをスッキリ整理!」
「医療法人の法務と税務」
「調剤と情報 2016年 11 月号 [雑誌] 特集:臨床検査値を活かす! 便利ツール」
「調剤と情報 2017年1月号[雑誌] 特集:ポリファーマシーを考える」
などなど。
雑誌ですが、基本的には医学雑誌は買取が難しくなっておりまして、当店でも買取不可のリストに入れさせていただいております。(他、詳しくは「買取できるもの、できないもの」(当店HP)一覧をごらんください。)どうしても、医歯学などは情報が古くなってしまうと、需要が下がってしまうのですよね・・・。今回のように、新しいもの、類書が他にないものの中には稀に例外もありますので、値段がつくのか、どうしても気になるという場合には、お気軽にご連絡ください。現物を送付して頂く前に事前見積もできますよ!
事前見積はこちら
さて、今回の気になる一冊ですが、
「カラー写真で見るニュートリション・フィジカルアセスメント: 管理栄養士が現場で使えるアセスメントシート付き! (ニュートリションケア2012年春季増刊)」
です。
まず、何が気になったかって、表紙ですよ。(↑写真参照)
背中のお肉をつままれています。下に目をやれば、舌がただれています。指先の写真は、いわゆる、バチ指でしょう。
写真がなかなかにショッキングです。
まず、題名に使用されている言葉の意味の確認からしたいと思いまが、ニュートリションとは、すなわち、栄養のこと。こちらの本は「ニュートリションケア」というメディカ出版さんから発行されている専門雑誌の増刊号です。こちらの雑誌では毎号、管理栄養士、栄養士の方が臨床で働くときに参照できる知識が幅広く掲載されています。
また、フィジカルアセスメントとは、「観察者の五感をつかい、患者の身体や精神を観察し、判断すること」なのだそうです。具体的には視診、触診、打診(軽く叩いて様子を見る)、問診、聴診といった手法を用いて観察します。ここで意外なのは観察対象に精神も含まれることでしょうか。フィジカルという言葉から、患者の「フィジカル」=身体の外観 に限定して想像してしまいがちですが、観察者の耳をフルに使う傾聴もフィジカルアセスメントの1つと考えるわけです。リモートでの診察がコロナ禍で話題になりましたが、生身の人間による身体への傾聴も改めて大事ということですね。(本書によれば、実際にフィジカルアセスメントが古臭いものとして評価されていた時代もあったそうです。)
つまり、こちらは栄養学的な見地から患者の状態を観察者の五感を使って観察し、判断するためのガイドブック的な本なのです。
本書の第2章では、具体的なアセスメント注目ポイント(顔貌とか、皮膚の色など)が掲載されています。そして、第2章で紹介された各疾患について、第3章で写真を載せて外観的なポイントを説明しており、第2章で学んだ内容を吸収しやすくする工夫がされています。また、こういった医学関連図書にない特徴的な点だと思ったのが、嚥下状況など摂食障害レベルを見るところです。栄養摂食に直接関係があるからでしょうね。こういったところが、栄養療法を専門とされる栄養士の方の実践に役に立つといわれる所以だと思います。
当たり前ですが、体をつくる入り口として栄養について考えることはとても大事なことです。それには、医師の力も必要ですが、栄養士の方の力も存分に活かされる医療体制が理想的かと思います。が、医師に比べるとその身分がイマイチ低いように感じられるのは、残念ながら気のせいではないでしょう。管理栄養士制度になってから多少は是正されたのかも知れませんが、どうなのでしょうか。
体調の悪いときなど、病院で栄養士さんに食べ物のことについて相談したいけどアクセスの仕方が分からない、というか、普段の治療場面で栄養士の方にお世話になる仕組み自体が日本にはないと思うのですが、せっかく豊富な知識を持っている方がいるなら、健康のために気軽に知恵を借りたいと思うのは私だけではないでしょう。栄養士さんの社会的地位向上のためにも、自分自身の疑問のためにも(笑)、誰か良い仕組みを作ってほしいな~、なんて完全他力で思う、夏バテ気味の古本屋でした。
今回も良書をたくさんお譲りいただき、ありがとうございました!