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スタッフブログ 買取日記

2020/07/16

音楽関連の書籍を多数買取いたしました

今回は音楽関連書籍の買取となりました。
以下に特に良い査定額をお付けできた本をご紹介します。

「改訂新版 カルカッシ・ギター教則本 溝淵浩五郎 編著」
「女声(児童)合唱のための 日本のうた 第三集 浜辺のうた」
「トンプソン 小さな手のためのピアノ教本」
「バッハ・インヴェンションとシンフォニーア」
「バーデンパウエルの世界 CSG1 コンテンポラリーソロギターシリーズ」
「楽譜 協楽者 プロフェショナル・ジャズ・オルガン 寒川敏彦レコード曲集 「QUARTER RUN」を中心に 昭和59年」
「楽譜 ドレミ楽譜出版社 魅惑のギター・デュエット 小胎剛編 昭和57年」
「楽譜 日音楽譜出版 プロフェッショナル・シリーズ 華麗なるギター・ソロ・アルバム1 編曲 江部賢一 昭和58年」
「楽譜 協楽社 ジミー・スミス ジャズオルガン インプロヴィゼイション 昭和59年」
「名曲と解説 ギタリストのための70選」
「楽譜 全音楽譜出版 まとめて16冊 全音ギターピース zen-on guitar piece」
「楽譜 まとめて23冊 好楽社ギターピース(G.P.)/教本・曲集(G・A)」
「音楽之友社 全24巻 最新名曲解説全集 昭和54~昭和56」

などなど。

ギター・声楽・ピアノなど比較的スタンダードなものから、ジャズ・オルガンの楽譜などちょっと珍しいものもございました。

その中でも特に気になった一冊がこちら。

「バーデンパウエルの世界 CSG1 コンテンポラリーソロギターシリーズ 」(1981年)

です。中央アート出版社から発行されたものですが、出版社情報によれば、すでに絶版となっています。

バーデン・パウエルは、1937年ブラジル生まれ、2000年没のギタリストです。ということは、今年がちょうど没後20周年ですね。非常に技巧的なギター演奏をする奏者として有名で、ボサノヴァの生みの親、ヴィニシウス・ヂ・モライスとの共作であるアルバム「アフロ・サンバ」などの作品で知られています。

ヴィニシウス・ヂ・モライスは、ボサノヴァといったらこの曲でしょう!の名曲「イパネマの娘」の作詞者としても有名です。(作曲は、こちらもボサノヴァの成立の立役者、アントニオ・カルロス・ジョビンです)。「イパネマの娘」は本書収録の一曲目でもあります。作詞作曲には携わっていませんが、パウエルにとっての代表曲でもありますからね、やはり外せません。日本人にとってはジョアン・ジルベルトのものか、小野リサさんの歌唱バージョンがイメージが強いかもしれないですね…。

ちなみに、モライスとジョビンは今回ご紹介させていただいている本の巻頭資料写真の中にも居ますので、お手にとってみた方は探してみてください。

 

パウエルは70年代中盤から体調をくずし、1980年代中頃まで活動休止状態になるなど、その年代によって活動状況が異なっています。本書発行は1981年のため、バーデン・パウエルのプロフィールは1977年の「以前のような派手な活躍はみられない」で終了しています。しかし、1980年代終盤以降はまた精力的な音楽活動を再開したようで、1990年代には再来日も果たしています。

 

さて、本書の構成ですが、
 ▲ 第一章 ボサノバの基本テクニック → ボサノヴァ特有のリズムやコードの解説、低音弦のフィンガリングの解説
 ▲ 第二章 バーデン・パウエル奏法の実践 → バーデンパウエルの奏法に特徴的なポイントと、各楽曲演奏をする際のポイントに整理
 ▲ 第三章 バーデン・パウエルの世界 → 一章、二章の応用編として10楽曲の楽譜

となっております。本書を購入する方の目的は主に第二章にあるように思うのですが、細かく丁寧に解説がついているので、オススメです。

今回楽譜があるのは,
イパネマの娘/ジェット機のサンバ/悲しみのサンバ/トリステーザ/ビリンバウ/主よ、人の望みの喜びよ/ピシンギーニャのショリーニョ/スコットランドのマーチ/黒いオルフェ/別れの曲

の10曲。

ボサノヴァの名曲「イパネマの娘」や「ジェット機のサンバ」など、ブラジル音楽ド直球なものもあれば、意外性のある楽曲もバランス良く含まれています。例えば、「主よ、人の望みの…」はバッハのカンタータBWV.147・10番、別れの曲はショパン作曲のアレです。クラシックの名曲とのコラボ、こちらの記事を書くにあたって聴いてみましたが、格好いいですよー!

※ちなみに本書の楽譜の題名、「主よ、人の望みの喜びよ」の原題が「Jesus Bleifet Menine Freude」になっていますが、正しくは「Jesus Bleibet・・・」ですね。

この10曲は特にパウエルの演奏の特徴がよく出ていて、レコード音源からもそれが聞き取りやすいものをピックアップしてあるとのことなので、これから挑戦する方は是非音を聴きながら、名人の演奏の凄さと、それに近づくことの楽しみを味わいながら使ってみると良いと思います。

今年の梅雨は長いですね…。青く突き抜けたブラジルの青い空を夢想しながら、ギターを楽しむのもステキじゃないですか?

 

と、湿気と本に囲まれて古本屋は夏を待つのでありました。

 

今回もたくさんの良書をお譲りいただき、ありがとうございました!

 

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