2020/04/02
物理数学関連図書の買取させて頂きました
今回は物理学や数学に関連した専門書を多数買取いたしました。以下に特に良い査定額をお付けできた本をご紹介します。
「分子軌道法」「解析入門 Ⅱ(基礎数学3)」「解析入門 Ⅰ(基礎数学2)」
「ワインバーグ場の量子論 (1巻) (物理学叢書 (75))」「続 解析入門 (原書第2版)」
「超音波エレクトロニクス振動論―基礎と応用」「ファインマン経路積分」
「熱力学―現代的な視点から (新物理学シリーズ)」
「流体力学 (新物理学シリーズ)」「線型代数演習 (基礎数学 (4))」
「有限要素法の数理―数学的基礎と誤差解析 (計算力学とCAEシリーズ)」
「場の古典論―電気力学,特殊および一般相対性理論 (ランダウ=リフシッツ理論物理学教程)」
「ベクトル解析30講 (数学30講シリーズ)」「ベクトル解析 工学基礎演習シリーズ2」
「東京図書 2冊 連続媒質の電気力学 電磁気学1・2巻 ランダウ=リフシッツ 理論物理学教程 1978年」
「統計物理学 上」
「東京図書 連続媒質の電気力学 電磁気学1 ランダウ=リフシッツ理論物理学教程 1973年」
「材料力学 下」「流体力学 (1) (ランダウ=リフシッツ理論物理学教程)」
「解析入門 原書第3版」
「共立出版 12冊 スミルノフ高等数学教程 1-12巻 昭和48-平成11年」
などなど。
リストの中に何度も出てくるランダウ・リフシッツの理論物理学教程については以前もご紹介させていただきました。(https://www.northbookcenter-kaitori.com/blog/2124)よろしければご参照ください。
どちらの本も、ご紹介するには本記事担当者の頭脳が稚拙すぎて一冊を選び出すのが大変だったのですが、ランダウ・リフシッツのシリーズと同様に日本語版が絶版になってしまっており、「そんな時こそ古書の出番!」と宣言できる一冊に目をつけてみました。
それがこちら
「ファインマン経路積分」(1995年5月10日 第一刷発行)
です。
理系の方にはもちろん、ファインマンは物理学系専門書も取り扱っている当店の人間にとって、著作物の内容はさておき名前に親しみを覚える程度にはメジャーです。1965年にノーベル物理学賞を受賞してもいますし、1980年代に出版された「ご冗談でしょう、ファインマンさん」という回顧録が爆発的人気を博したことも広く一般的に知られる理由でしょうね。そして、量子力学を学ばれている方には言わずもがなですが、「経路積分」とはそのファインマンが大学院生の時に提唱した理論手法です。
経路積分について、ファインマン本人が著した教科書的な出版物としては「Quantum Mechanics and Path Integrals —Feynman-Hibbs(日本語版は「量子力学と経路積分(
北原和夫 訳)」(2017年に新版出版!))」がありましたが、今回ご紹介する「ファインマン経路積分」は、訳者の言葉を借りればファインマンの「Quantum~」の「理論がどのように応用され、どのように洗練され、どう将来が展望されるか」を説明する「すぐれた解説」書です。そういうわけで、解説書といはいえ応用的な内容となっているため、数学的素地がないと理解が及ばない、まさに専門書ですが、その道を学ばれる方には非常に高い支持を得ている名著といえるようです。
ただ、こちらの原著「Techniques and Applications of Path Integral」がL.S.シュルマンによって著されたのが40年近く前の1981年だったのですが、こちらのオリジナルには誤植や計算ミスが多くあったらしく、英語版は何回か訂正を経て最新版が2005年に発行されているようです。対して、日本語版は本書以降、新版は出版されぬまま既に述べたように絶版となっています。計算の誤植、誤りは数学や物理学の専門書にはよくあることのようで、読者は自ら計算してチェックできるからあまり気にしないらしいと聞いたことがあります。ですが、それ以外にも日本語訳の際に大人の事情から割愛されてしまった章も2章あるとのことなので、完全版という形で日本語版も復活して欲しいと、この分野を学ぶ方のためにも願っている古本屋なのでした。
今回も良書をたくさんお譲りいただき、ありがとうございました!