2019/10/04
法律書買取いたしました
今回は法律関係の書籍を多数買取させていただきました。どの書籍もコンディションが非常に良い上に、発行年が最近であることもあり非常に良い査定額を付けることができました。具体的には以下のような本に良いお値段が付きました。
「ガイダンス 監査役・監査役会の実務」
「不動産再開発の法務〔第2版〕――都市再開発・マンション建替え・工場跡地開発の紛争予防」
「重要論点 実務 民法(債権関係)改正」「詳解 改正民法」
「裁判実務シリーズ11 破産実務の基礎」「破産管財人の財産換価〔第2版〕」
「企業労働法実務相談」「実務で役立つ世界各国の英文契約ガイドブック」
「コンプライアンス・内部統制ハンドブック」
「コンプライアンス・内部統制ハンドブックII」
「Fintech法務ガイド〔第2版〕」
「破産管財人の債権調査・配当」「逐条解説 不正競争防止法〔第2版〕 (逐条解説シリーズ)」
「民法とつながる商法総則・商行為法〔第2版〕」
「M&A法大全(下)〔全訂版〕」「M&A法大全(上)〔全訂版〕」
「アドバンス会社法」「個人情報保護法〔第3版〕」
「上村達男先生古稀記念 公開会社法と資本市場の法理」
「一問一答 民法(債権関係)改正 (一問一答シリーズ)」
「シチュエーション別 提携契約の実務〔第3版〕」
「株式交換・株式移転ハンドブック」
などなど。どちらの本も新品で購入すると結構なお値段のするものばかりですが、こういった専門書は断然古書でお求めいただくのがお得ですよ!
毎回、リストから気になる本を一冊ご紹介しておりますが、今回は
「コンプライアンス・内部統制ハンドブックII」(2019年6月 初版)
をピックアップしてみます。上のリストの中にはなかったのですが、写真の中にはIoTとかAIなどの文言を含む法務実用書がいくつか含まれています。それだけ、法務業界においても人工知能の活用やその周辺の整備が急がれていることの現れですよね。
こちらの本もそういった最新技術と無関係ではありません。リスト中には「コンプライアンス・内部統制ハンドブック」(2017年)もあることに気が付かれた方もいらっしゃると思いますが、こちらはその第二巻目で、一巻目では触れられていなかったAI技術を使ったコンプライアンス・内部統制構築の必要性や留意点、現段階で各関係団体、組織が発行している指針等についてまとめています。
そのようなわけで、「Ⅱ」のはしがきにあるように本書はあくまで「Ⅰ」の「続き」であり、改訂版ではない点に注意が必要です。とはいえ、「Ⅰ」を読まないと「Ⅱ」の内容が理解できないかというとそんなことはなく、いくつかの事例については「Ⅰ」を参照する旨の断りがところどころあるものの、具体的な事例の概略や考え方が改めて簡潔にまとめられており、素人にも非常に読みやすく、まさに現場の法務担当者のための実用書という感じがしました。特に内部統制システムに心理学的知見を活用する部分では、会社という組織・集団の心理としてだけでなく、個人の心理→行動という面でも納得のいく説明が多く、読んでいて面白かったです。
本書ではコンプライアンス・内部統制システムを構築することの法的義務という視点からその必要性の説明が始まるのですが、後半に向かうに従い義務を超えて、内部統制システム自体が会社の健全性を保ったり、ひいては持続可能性(=サステナビリティ、最近よく耳にしますね。)を高めたりすることで、安定した経済・社会の構築に一役買っていく、という大きな枠組みに視点が引き上げられていくように感じました。(そのような倫理的目標が設定動機とは限らないことも本書ではしっかり書かれていますが、詳しくは本文をお読みください。)
そのような高邁な目標を誰もが抱ければ、今テレビを騒がせているような企業の不祥事は起こらないと思いますがね…と言ってしまえば身も蓋もないのですが、少なくとも健全なコンプライアンスや内部統制システムを構築する志はあるのに、やり方が分からないという組織には、本書は大きなヒントをくれる優れた本であると思います。
今回も良書をたくさんお譲りいただき、ありがとうございました!