2019/05/11
言語学(多言語)関連を中心に人文学系の書籍買取いたしました
今回の買取も個人的に大変興奮する内容でした。まず、写真を見ていただいた方が良いと思います。
ご覧ください、このバラエティに富んだ言語の数々!日本で出版されたものが多いですが、気になるのはその内容ですよね。言語体系も、地域も、文字すらも違う言語たち。ページをめくるだけで世界旅行が楽しめそうです。というか、楽しめました(笑)。その他、医療倫理の本あたりも面白そうです。
どちらの本も多少の使用感はあるものの紙面に問題はなく、辞書や辞典などの外箱なども付属していたため良い査定額をお付けできました。当店では英語以外の外国語で書かれた書籍の買取が難しいのですが、日本語で書かれた希少で販売数も少ないマイナー言語の入門書や学習書ですと、古書であっても良いお値段をお付けすることができることがあります。古書店に売れるか分からないな~と迷っている方がいらっしゃいましたら、是非当店にご相談ください。
参考までに今回買い取らせていただいたものの中で特に良いお値段をお付けできたものを以下に列挙させていただきます。
「チェコ語のしくみ」
「トルコ語のしくみ」
「医療倫理1」
「羅和辞典 <改訂版> LEXICON LATINO-JAPONICUM Editio Emendata」
「The Chronicle of Theophanes: Anni mundi 6095-6305 (A.D. 602-813) (The Middle Ages Series)」
「Realm of St Stephen: A History of Medieval Hungary, 895-1526 (International Library of Historical Studies)」
「A History of the Byzantine State and Society」
「The Early Medieval Balkans: A Critical Survey from the Sixth to the Late Twelfth Century」
「The Alexiad (Penguin Classics)」
「The Late Medieval Balkans: A Critical Survey from the Late Twelfth Century to the Ottoman Conquest」
「文化史とは何か 増補改訂版」
「歴史主義の貧困 (日経BPクラシックスシリーズ)」
「図書館員のための英会話ハンドブック (国内編)」
「現代ローマ法体系〈第1巻〉」
などなど。こう見ると、中世東南ヨーロッパの言語、歴史関連の本が多い印象ですね。
この中でスタッフ的に特に気になったものは、ダントツで
羅和辞典 <改訂版> LEXICON LATINO-JAPONICUM Editio Emendata
で、こちらは2009年の改訂版1刷のものです。
欧米の中学校では外国語の選択授業にラテン語があるという話をアメリカ人の学生に聞いたことがありますが、日本の一般的な中学生でラテン語に触れ合う機会に恵まれているという人はまず少ないですよね。でも、もうすぐ小学生でも習う英語だってラテン語起源の言葉が山ほどあります。実際にこちらの辞書を開いてみると、英語でも見かけたことがありそうな言葉が沢山あります。英語のみならず、ヨーロッパの言語のほとんどにその根っこが残っているラテン語ですから、ロマンス語系の言語を学んだ方でも興味深いのではないでしょうか。上述の学生もラテン語の授業が一番好きだと言っていました。動植物などの学名はラテン語で付けられているので、ラテン語が分かるとその名前を聞いただけでどのような特徴のある動物なのか分かるのが、とても面白いのだそうです。なるほど。
私も何かの新種でも発見したとき用に学名の予習でもしようかしら~なんてニヤニヤしながらページを繰っておりました。何を発見するかは未定ですが(苦笑)。
今回も良書をたくさんお譲りいただき、ありがとうございました!