2019/04/13
数学、天文学、物理学関連の書籍を多数買取いたしました。
買取日記ジャンル
今回は数学や物理学、それに関連する天文学関連の書籍を多数買取させていただきました。どの本も非常に状態が良く、比較的近年に出版されたものが多かったです。
どの本にも非常に興味が惹かれたのですが、特にその中でもご紹介したいのが写真の本。「数学的な宇宙 ー究極の実在の姿を求めて」です。
著者はアメリカにて活動されている物理学者のマックス・テグマーク氏。氏は「数学的宇宙仮説」を唱える科学者として有名で、本著はその説にそって展開されています。「数学的宇宙仮説」とはどういうものかというと、数学的に存在が証明されたものは物理的にも存在するという考え方で、いわゆる多元宇宙論の1つになります。やや乱暴ではありますが、SF的な言い方をするのであればパラレルワールドとかそういったものに通じるものですよね。本著では「並行宇宙」という表現で訳出されています。別の言い方をするなら、シュレディンガーの猫実験でお馴染みの量子力学論に通ずる、といったところでしょうか。
話は変わりますが、つい最近、子どもとドラえもんの「月面探査」の映画を観てきました。こちらの映画では秘密道具で「異説の世界」と現実世界を行ったり、来たりする描写があるのですね(まだ観てない方、すみません!)。途中、その異説の世界が成立する条件をドラえもんが説明する場面があり、それによれば劇中のパラレルワールドはあくまで実在ではなく認識がベースになるっていう考えなのかなー、なんて童心とはかけ離れた鑑賞をしていたわけですが(笑)、テグマーク氏の説を飛躍させた世界では、そのようなドラえもん的SF世界であっても、子どもの妄想だなんて馬鹿にできないことになります。
少なくとも、本著のイントロダクションを読むにあたり、実在とは何かという壮大な、しかし、哲学的には新旧にわたりメジャーな問いかけに数学的にアプローチしていくという著者の宣言には、かなりワクワクしました。惜しむらくは数学的・物理学的センスが私に欠如しているため十分に楽しめないのが心残りですが、氏のそういった探求心に惹かれて一緒にワクワクするだけでも魅力的な書だと思います。
今回も良書をたくさんお譲りいただき、ありがとうございました!