2019/04/10
哲学関連の書籍を多数買取いたしました。
買取日記ジャンル
今回は哲学や心理学関連の書籍を多数買取させていただきました。20年程前に発行されたものが多い印象でしたが、使用感も少なく、状態も良好でしたので、良い査定額を付けることができました。
その中で特に気になった本がこちらの一冊。「実存の発見 -フッサールとハイデッガーと共に」です。
哲学好きの読者の皆様にはおなじみの法政大学出版 叢書・ウニベルシタス シリーズの1冊です。法政大学出版さまのHPでシリーズ名を検索すると2019年4月現在で1227点がヒットするのですが、そんなに発行されていたのですね…!買取をさせていただいていると、エスプリの香りがプンプンする本シリーズをよく見かけるわけですが、それだけの数が発行されているのなら、古本屋のおなじみになるのも納得です。ちなみに、今回の「実存の発見」は通番522。なかなかに濃い内容ですが、このような知の塊の書籍がこれ以降も700冊以上出版されていると思うと、クラクラします。古今東西、頭の良い人はあちこちにいるのねー…と遠い目になります。…あやかりたいです。
それはさておき、本書の著者はエマニュエル・レヴィナス。タイトルは「「実存」の発見」ですが、副題のフッサール、ハイデガーの哲学思想は「現象学」というワードで語られることが多いのではないでしょうか。個人的には「実存」というとサルトルの顔がぱっと思い浮かびます。でも、サルトルの実存主義も元はフッサールの現象学を出発点としているのでまったく無関係ではなく、むしろ実存という概念が現象学に包括されていると言った方が良いように思います。
さて、その現象学、一般的に言葉回しが特徴的すぎるというか、難解すぎるというか、その内容を理解する前に独特すぎる説明で頭が混乱してしまい、本をすっと閉じる…ということになりがちですが(自分がそうです(汗))、本書も初学者には正直難しいです。それもそのはず、フッサールとハイデッガーの現象学を下敷きにレヴィナスがそれをさらに批判、発展論を展開しているわけですから、こんがらがったら最後、なかなか毛糸玉がほどけません(苦笑)。現象学はその哲学者によっても内容がかなり異なるので、その部分を整理してから臨むのがきっと正解なのだと思います。ちょっと、いや、かなり重い宿題ですが、この本を理解するために頑張ってみようかな、なんて思った買取でした。
今回も良書をたくさんお譲りいただき、ありがとうございました!